——今回のベストアルバム『best [and/drop]』、そして、andropの新世界を象徴する「Image World」を立ち上げたことは、バンドが次のステップへ進んでいることを象徴しているのでしょうか?
僕らは常に進化を求めています。
なぜなら、新しいことや発見したことを音楽で表現することに感動を覚えるからです。
ベストアルバムも、「Image World」も、これから進化していく上で必要なマテリアルなのです。
——今はもう新しい世界観「Image World」の輪郭を見れていますか?次の目標の設定もしてありますか?教えてくれませんか?
今までよりもより多くの人に我々の音楽を直に聴いてもらいたいという想いがあります。
海外ではまだ一度もライブをした事がないので、これからやっていきたいと思っています。
——「Image World」を立ち上げたタイミングでの、この7年についての感想を聞かせてもらえませんか?
内澤:これまでの7年間は、短く言葉では言い尽くせないほど沢山の感情があります。
ただ、この7年間を語ることが出来る今があることが、何よりも幸せです。
この今があるのは僕らだけの力ではないので、とても嬉しいです。
佐藤:良いことも悪いことも含めて何もかもが初めての経験で、自分のこれまでの人生においてもっとも濃い時間を過ごしているなと感じます。
前田:激動の7年間でしたね。andropをスタートして、そこからまた新しい人生が始まったみたいな。 音楽的な面でも人間的にも生きてきた中で一番濃い時間を過ごし、沢山の失敗と成長のあった期間でした。
伊藤:新しい音を生み出すためには新しい自分たちに生まれ変わる必要があると思いました。
歩みを止めず、いまだ出会ったことのない自分たちの音楽に出会ってそれを聴いてくれる方々に届けたいが為の「image world」です。
これ以外のタイミングも全てがターニングポイントであったと思える7年間でもあったし、これ以降もそうしていきたいと思います。
——多くの台湾ファンは「Bright Siren」のミュージックビデオからandropさんを知りました。このミュージックビデオは台湾でとても人気です。andropさんのMVはいつも印象的ですし、音楽もビジュアルも、クリエイティブな方面で高い評価を受けています。「Bright Siren」も「Bell」》も素晴らしかったです。バンドのグッズもジャケットワークも、業界のトップレベルです。ビジュアルについては、メンバーはどのようなこだわりがありますか?それともデザイナーさんにお任せしていますか?
関わってくれている方々は本当に素晴らしい方々ばかりで、我々は彼らをとても信頼しています。
毎回楽曲のコンセプトやイメージ、メッセージ、色などをお伝えして、そこから汲み取ってもらったものを形にしていただき仕上げてもらいます。
毎回思いもよらない発想や、数々の経験の中から計算された形のものを持ってきてくれるので、新しい作品を出す度に感動します。
——ミュージックビデオの撮影では何か印象に残ったことがありますか?何か面白いエピソードがありますか?
内澤:「Yeah! Yeah! Yeah!」のMV撮影の時、とても天気が良くて太陽の周りに虹ができる現象が起きてとても綺麗だった。
MV始まってから33秒あたりの映像がそれです。
佐藤:「Voice」や「Yeah! Yeah! Yeah!」のMVは僕達だけでなく、エキストラでたくさんの人が参加してくれて完成した作品でした。
長時間の撮影にもかかわらず良いMVにするため、参加してくれたエキストラのみんなも頑張ってくれたのが印象に残っています。
前田:今回の「Hana」のMVで、映像が出来るまでの苦労を知れた事ですね。自分達の撮影が終わってから、百合の花に自分達の映像を投影する作業を見に行かせてもらったんです。生花に投影するということで、不測の事態やトラブルもあり、それを乗り越えて良い作品を作っていく撮影クルーの姿に心を打たれました。 出来た作品を確認するだけではなく、現場に赴き、命懸けで作っているクルーを知ることで、よりMVの熱量を皆に伝えられるようになったと思います。
伊藤:基本的に撮影はいつもものすごい長さで寝ずの作業になることがほとんどですが、
「Missing」の撮影時には逆にワンテイクノーカットで撮影することに挑戦しました。
日の出から美術館の開館までの短い時間で通りすがりの一般の方やバス等の映り込みに注意を払ったり、警備員の方に色々な説得をしていたり、周りの撮影スタッフの方々が緊張感たっぷりに支えてくださったのが印象的でした。
逆に「Voice」の撮影時はメンバーを担ぎ上げてもらうシーンの撮影が非常に長丁場になり、
担ぎ上げているファンの方々が次第に僕の耳元で「うぐぅぅ」と苦悶の声をあげる様になっていたのが印象的、というか耳から離れませんでした。
本当に申し訳なかったですし、文字通り皆様の支えがなければ成り立たないMVになりました。
——ワーナーミュージック・ジャパン傘下のunBORDEという、すごく個性の強いブランドに入っていて、他にも個性的で素晴らしいバンドがたくさんいらっしゃいます。バンドとバンドの間、交流の機会も多いと思いますが、この環境でandropさんに対してどんな影響をもたらしましたか?
日本の音楽シーンで面白いものや、音楽シーンが楽しくなるような新しいテイストのアーティストばかりいるレーベルです。
ジャンルの線引きがないというか、ボーダーがない。
まさにunBORDEなレーベルだと思います。
そんなレーベルだからこそ、我々のやりたい音楽を理解しチカラになってくれたのが今の我々の音楽に現れていると思います。
我々はいつでも台湾に行くチャンスを狙っています。行けた際には最高のライブをして最高の音楽を届けたいと思っています。- androp