日本の新世代人気シンガーソングライター秋山黄色は、今年デビュー5周年を迎えた。4月には新曲「INSOMNIA」をリリースし、9月には100回嘔吐とのコラボ曲「ネイルイズデッド feat.100回嘔吐」を発表。同時に「鬼奏本能」と題したツアーを展開し、より原始的で自分自身に近い“本能”のステージへと回帰したことを示している。
昨年のアルバム『Good Night Mare』は、自身の低迷期に制作された作品であり、秋山は「作詞が一番大変だった」と明かしている。しかし、これまで書いてきた歌詞が常に自分を導いてくれたという。そして最新シングル「ネイルイズデッド」では、痛みの必然性をテーマに掲げ、独自の哲学的な視点を表現。2年ぶりに「浪人祭」のステージに立つ秋山黄色は、より成熟し、本能的な音楽を携えて再びファンの前に戻ってくる。
── 2年ぶりの浪人祭ご出演、おめでとうございます。前回のステージで体感した浪人祭の雰囲気はどのようなものでしたか?それを踏まえて、今回はどんなステージにしたいですか?
一度目の出演で浪人祭の盛り上がりを体験して、今回はそれをさらに超えたい気持ちがあります。待ってくれていたたくさんの人に、演奏を届けたいです。
── 台湾でのライブになりますが、言葉の壁を越えて伝えたいことは?ステージでは、どんな「秋山黄色」の姿をファンに見せたいですか?
言語の違いがあっても、僕の楽曲には言葉ではないコミュニケーションが含まれています。いつだってステージで燃え尽きたいと思っているので、その楽しさを見せたいです。
── 昨年のアルバム『Good Night Mare』は、ご自身の内面と深く向き合った作品だと思います。制作過程で特に苦心したのはどの部分ですか?その経験はどのようにご自身を支える力になりましたか?
いつでも作詞が一番たいへんな気がします。しかし振り返れば、これまで自分が書いてきた歌詞が、いつも自分を正してくれます。
── アルバムを締めくくる「生まれてよかったと思うこと」はとても印象的です。この曲を歌い、少し時間が経った今、「生まれてきてよかった」と思える瞬間は増えましたか?最近の小さな幸せがあれば教えてください。
なかなか見つけられません。最近では、美味しいアイスコーヒーを見つけたことです。
── デビュー5周年、おめでとうございます。新曲「INSOMNIA」のリリースや「鬼奏本能」ツアーなど、今年の活動からは「本能」というキーワードが浮かびます。創作はより原始的・直感的なモードに入ったということでしょうか?
もちろんそうです。言い換えるなら、本来の自分に戻った感覚です。
── 29 歳、20 代最後の年を迎えられました。20代を振り返って得た最も大きな気づきは?また、30 代に向けての抱負はありますか?
30歳を前にして分かったのは、20代でも30代でも40代でも、必死に生きた時間にはすべて特別な意味が残るということです。学生だったか社会人だったかではなく、必死に生きたかどうか。30代はたくさん寝たいです。
── 近年は Deu さんや 100回嘔吐さんなど、様々なアーティストとコラボレーションされています。どのような心境の変化から、他者との創作に惹かれるようになったのでしょうか?
自分ひとりではできないこと、その可能性を知りたいという心境です。そしてそれは逆に、自分ひとりにしかできないことを知るきっかけにもなりました。
── 最新シングル「ネイルイズデッド」についてお聞かせください。非常にユニークなタイトルですが、どんなメッセージを込めましたか?
研ぎすぎた爪や心では握手が難しい。でも、ほとんどのことには痛みが伴い、それがどうしても必要だ、というメッセージを込めています。
── 今回の浪人祭に向けて、「これだけは聴いておいて!」という予習曲を一曲挙げるなら?
「INSOMNIA」という曲は、きっと演奏します。
── 2年前、台南での浪人祭はいかがでしたか?日本のフェスと比べて印象的だったことは?ちなみに、忘れられない台湾グルメは……?
日本のフェスとの違いは、お客様一人ひとりが自分らしく、自分のペースで時間を楽しんでいるところです。日本は少し慌ただしい部分があります。肉圓(バーワン)が美味しかったです。
── 最後に、浪人祭での再会を心待ちにしている台湾のファンへメッセージをお願いします。
SNS などでも、いつも声を届けてくれてありがとうございます。2年分の思いを込めて、歌いに行きます。